不妊症にピルが使用される理由とは

こんにちは、東京都江東区にある不妊専門鍼灸院の住吉鍼灸院です。

 

不妊症にピルが使用される理由とは

不妊症の治療において、ピル(経口避妊薬)が使用されることがあるのは意外かもしれませんが、これは特定の条件下で非常に効果的な治療法となる場合があります。ピルは通常、避妊のために使用されますが、不妊治療の一環としても重要な役割を果たします。ここでは、不妊症にピルが使用される理由を詳しく説明します。

 

ピルとは

ピル、または経口避妊薬は、女性ホルモンを含む薬剤で、月経周期の調節や妊娠の防止に使用されます。主に卵巣からの排卵を抑制し、子宮内膜の成長を抑えることで避妊効果を発揮します。

 

ピルを服用できない人

ピルを服用できない人というのは、血栓症など命に関わる副作用が起こるリスクが高い人や、初めての生理(初経)がまだきていない人、閉経した人などが該当します。

具体的には、下記に該当する方はピルを使うことができません。

・初経初来前、50歳以上または閉経後

・35歳以上で1日15本以上の喫煙

・高血圧(収縮期血圧160mmHg以上又は拡張期血圧

100mmHg以上、又は血管病変を伴う高血圧)

・血管病変を伴う糖尿病(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など)

・妊娠または妊娠している可能性がある

・産後4週以内、授乳中

・手術前4週以内・術後2週以内(30分以上の手術)、および長期間安静状態

・肺高血圧症または心房細動を合併する心臓弁膜症、亜急性細菌性心内膜炎の既往のある心臓弁膜症

・重篤な肝障害(急性ウイルス性肝炎、重症肝硬変など)、肝腫瘍(肝細胞癌、肝細胞腺腫など)

・前兆を伴う片頭痛

・乳癌

・深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患またはその既往歴

・抗リン脂質抗体症候群

・診断の確定していない異常性器出血

・耳硬化症

・妊娠中に黄疸、持続性掻痒症または妊娠ヘルペスの既往歴

 

不妊症治療とピルの関係

不妊症治療では、ピルが排卵をコントロールし、卵巣機能を正常化するのに役立つ場合があります。これにより、排卵のタイミングを調整し、受精の可能性を高めることが期待されます。

ピル服用で得られる効果

ピル(経口避妊薬)を服用することにはさまざまな効果があります。以下では、その主な効果について説明します。

避妊

ピルは、妊娠を防ぐための効果的な方法の一つです。正しく使用されると、ピルは女性の排卵を抑制し、受精卵が子宮内膜に着床するのを防ぎます。

PMS改善

生理前症候群(PMS)は、生理周期の前に現れる身体的および精神的な症状です。ピルの服用は、PMS症状を軽減する効果があります。ホルモンの安定化により、不快な症状が緩和されることがあります。

ニキビ改善

ピルには、皮脂分泌を抑制する作用があります。そのため、適切なピルの使用により、ニキビの改善や発生の抑制が期待できます。特に、ホルモンバランスが乱れている場合に有効です。

生理不順の改善

ピルは、月経周期を安定させる効果があります。周期的に不規則な生理を持つ人や、月経不順がある人にとって、ピルの服用は生理周期の調節に役立ちます。正確な日数での月経が予測可能になり、生活の予定立てがしやすくなります。

ピルの服用によってこれらの効果が得られる一方で、個人によっては副作用が現れることもあります。医師の指導のもとで適切なピルを選択し、正しい服用方法を守ることが重要です。

 

ピル服用の副作用

ピル(経口避妊薬)の服用には、さまざまな副作用が報告されています。以下では、ピルの代表的な副作用について説明します。

吐き気

ピルの初期服用期間中に、一部の人が吐き気を感じることがあります。特に胃腸の敏感な人や、特定の成分に対して過敏な人によく見られます。通常、吐き気は服用を続けるうちに軽減されますが、症状が続く場合は医師に相談することが重要です。

胸が張る

ピルの副作用として、乳房の腫れや痛みが生じることがあります。これは、ピルがホルモンバランスを変化させ、乳房組織に影響を与えるためです。通常、数か月経過すると症状が緩和されることがありますが、不快感が続く場合は医師に相談してください。

不正出血

ピルの副作用の一つに、周期外の出血があげられます。これは、体のホルモンバランスの変化によって生じることがあります。特にピルの初期服用期間中に起こりやすく、通常は数か月で自然に改善されますが、継続的な不正出血が見られる場合は医師に相談してください。

頭痛・下腹部痛

ピルの服用によって、頭痛や下腹部の痛みが生じることがあります。これは、ホルモンの変化が身体に影響を与える結果として生じる可能性があります。症状が継続する場合や、激しい場合は医師に相談してください。

むくみ

一部の人がピルを服用すると、体のむくみを感じることがあります。これは、体内の水分バランスが変化することによるものであり、通常は数か月で自然に改善されることがあります。しかし、持続的なむくみや顕著な腫れがある場合は、医師に相談することが重要です。

ピルの副作用は個人によって異なりますし、通常は服用を続けるうちに軽減されることがあります。しかし、症状が持続する場合や、特に深刻な副作用が現れる場合は、速やかに医師に相談してください。

ピルの種類

ピル(経口避妊薬)にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる成分や量が含まれています。以下では、代表的なピルの種類について説明します。

超低用量ピル

超低用量ピルは、非常に低い量の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を含むピルです。このタイプのピルは、ホルモンによる副作用を最小限に抑えることができます。避妊効果を持ちながら、副作用のリスクを低減したい人に適しています。

低用量ピル

低用量ピルは、やや高い量の女性ホルモンを含むピルですが、超低用量ピルと比較してもまだ低い量です。このタイプのピルは、避妊効果を高める一方で、PMS(月経前症候群)や生理不順の症状を軽減する効果があります。

中用量ピル

中用量ピルは、より高い量の女性ホルモンを含むピルです。このタイプのピルは、避妊効果を高めると同時に、月経不順や生理痛などの症状を軽減する効果があります。しかし、副作用のリスクも高くなる場合があります。

アフターピル

アフターピルは、緊急避妊薬として使用されるピルの一種です。通常のピルとは異なり、緊急避妊の必要がある場合にのみ服用されます。アフターピルは、性交後72時間以内に服用する必要があり、受精卵の着床を防ぐことで妊娠を防ぎます。

ピルの種類は、個々の人のニーズや健康状態に合わせて選択されるべきです。医師の指導を受けながら、最適なピルを選択することが重要です。

婦人科クリニックで診療を受けよう

ピルの使用に関しては、適切な医師の指導や処方が必要です。婦人科クリニックでの診療を受けることで、ピルの適切な使用方法や副作用、適切な種類を選択する際のアドバイスを得ることができます。

 

正しくピルを使用して妊娠に向けて体を整えましょう

ピルを使用する際には、正しい服用方法を守り、妊娠を目指す際には医師と協力して、健康な体を整えることが重要です。自己判断せず、医師の指導に従いましょう。

 

まとめ

ピルは避妊だけでなく、さまざまな婦人科上の問題に対処するための有効な方法です。しかし、その使用にはリスクや副作用が存在し、医師の指導の下で適切に使用する必要があります。不妊治療や生活習慣の改善に役立つピルの適切な使用方法を理解し、健康な妊娠に向けて積極的に取り組みましょう。

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