こんにちは、
東京都江東区にある不妊専門鍼灸院、住吉鍼灸院です。
今回は女性に起こりやすい腰痛についてお伝えいたします。現在腰痛をお持ちの方や以前腰痛になったことがある方、これから腰痛を予防したい方など、腰痛に関してお悩みのある方は是非チェックしてみてください。
腰痛とは
腰痛は病名ではなく腰に現れる症状を大きくまとめた総称です。
腰そのものに問題がある場合だけでなく、職業、生活習慣、ストレスなどの様々な要因が関係しているので、自分の生活習慣を振り返る事が腰痛の原因を知るための第一歩となります。
特に女性では年齢による体の変化が大きく、女性特有の腰痛も増加傾向にあります。一度生活習慣も含め、女性特有の腰痛のリスクを見直してみましょう。
女性特有の5つの腰痛の原因
腰痛は、画像診断や血液検査などで痛みの原因が分かる「特異性腰痛」が全体の15%で(腰部椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎の圧迫骨折、内臓疾患など)、原因となる部位が不明な「非特異性腰痛」が残りの85%を占めています。
大半が原因不明の「非特異性腰痛」に分類されますが、どちらにも共通して痛みを引き起こす要因となる、女性特有のシチュエーションが5つありますのでお伝えしていきます。
筋力不足
背骨は腹筋や背筋などの筋肉によって支えられています。
年齢を重ね筋肉が衰えたり、運動不足が加わったりすることで筋肉量は徐々に減少してしまいます。筋肉量が減ると、腰椎を支える力も低下してしまうので、腰痛の原因になります。特に女性は男性よりも体質的に筋肉が付きにくいです。 これは男性ホルモンであるテストステロンが少ないため、鍛えても筋肉がつかないのです。
冷え性
女性は筋肉量の少なさに加え、月経があることで熱を運ぶ血液の流れが悪くなり冷えがおこりやすくなります。身体が冷えて血流が悪くなると、腰部を支える筋肉や感覚を司る神経に栄養素や酸素の供給が鈍くなります。
筋肉の代謝が悪くなったり神経が酸欠状態になってしまうと、疲労物質が溜まりやすくなり、腰痛を引き起こす原因となります。
ハイヒールやファッション
ハイヒールを履くと、常につま先立ちしている状態のため、前に傾いた体を後ろに引き上げるよう筋肉が働きます。
その結果、反り腰の姿勢になる事で背中や腰回りの筋肉が必要以上に疲労し、腰痛を引き起こしやすくなります。
硬い靴を履くと足裏のアーチが崩れたり、ヒールの高さにより膝が曲がる事でも、歩く時の衝撃をうまく吸収できずさらに腰に負担がかかるとも言われています。
また、ファッションによっては薄着でお腹や手首足首などが出ているものだと体を冷やしやすく、腰痛に繋がる場合もあります。
女性ホルモンの変化や女性疾患
女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少すると、生理不順や更年期障害につながります。ホルモンバランスは、自律神経の乱れにつながるため血流も悪くなりがちです。
その結果、頭痛やめまい、腰痛などの症状に現れることがあります。毎月の生理の際に子宮の収縮を促すプロスタグランジンの分泌量が多い人も、腰痛が起きる可能性が高くなります。
また卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)や子宮内膜症、子宮筋腫など、婦人科系の病気が原因となり内臓の関連痛として腰痛が出ることもあります。
妊娠による体型変化
妊娠中は子宮や胎児の重さにより腰に負担がかかります。
また、おなかが大きくなると身体の重心が前に傾いたり、腹筋が低下したりするため反り腰になりやすいです。子宮が大きくなり、骨盤の周りの筋肉(体幹支持筋群)が引っ張られることも腰痛の要因になります。
年代別の腰痛のタイプ
年齢を重ねるごとに体は変化し、腰痛になる要因も移り変わっていきます。自分の年代と照らし合わせて、当てはまる部分があるか確認してみましょう。
20~30代(生活習慣やストレス)
働き盛りの20~30代では、仕事でのパソコン作業などによる座りすぎや運動不足が腰痛の主な原因に挙げられます。
特に30代では育児などによって時間を取られさらに運動不足になったり、無理な抱っこ姿勢などによって腰の負担も多くなります。長
時間のスマートフォンやタブレットの使用でも猫背や前かがみの姿勢になりがちで、腰に大きな負担がかかるため要注意です。ま
た、精神的にストレスがかかると身体反応として睡眠障害や頭痛、動悸(どうき)などを引き起こすことがありますが、腰痛もまたその中の反応の一つです。精神的ストレスが腰痛を引き起こす原因ははっきりとは分かっていませんが、筋肉への血流量の低下などの可能性があるのではないかといわれています。
さらに、精神的ストレスがあると体のバランスも保ちにくくなりぎっくり腰にもなりやすいともいわれています。
40~50代(女性ホルモンの乱れ)
40~50代になると女性は不正出血や生理不順などの後に、生理の終了『閉経』を迎えます。女性ホルモンのバランスが崩れ体の不調を覚えることが多くなり、腰痛も更年期による代表的な症状の一つでもあります。
また、腰痛の裏には、40代から増加する子宮がんなどの病気が隠れている場合も否定できません。
さらに、40代以降では筋力も低下するので、筋肉や関節の衰えによる腰痛も増えてきます。仕事や家事育児で偏った姿勢を長年続けてきたことによる負担が、腰痛となって表れることも多いようです。
60代以上(脊椎のずれや筋力の低下)
60代以上になると、加齢により本格的に筋肉量が減りはじめます。今まで筋肉で支えられていた腰椎の負担が大きくなり、老化の現象としての腰痛が増えてきます。例えば、腰椎の変性によって慢性的な腰痛が生じる変形性腰椎症は、60代以上で多く発症する病気とされています。腰椎の変形が進行すると、腰部脊柱管狭窄症などに移行する可能性もあるため、腰痛を単なる老化現象として放置しないようにしましょう。
一方で、安静にし過ぎるとさらに筋力が低下したり、骨粗鬆症が悪化したりする恐れがあります。適切な治療を受けつつ、できるだけ自力で日常生活を送ったり、生活習慣の見直しを行なったりするよう心がけましょう。
腰痛改善のメリット
腰痛を改善することは、日々の姿勢や体質の見直しにも繋がります。具体的にどんなメリットがあるのか考えてみましょう。
体型が美しくなる
腰痛の原因となりやすい反り腰の場合、骨盤が前方に傾いている状態のため、お腹が前に出てしまいます。
反り腰になると腹筋が使われにくくなるため、ぽっこりお腹になりやすいです。姿勢を改善することで反り腰による腰痛緩和に加え、ぽっこりお腹の解消にも期待できます。
腰痛を解消する過程で姿勢や身体の歪みが改善すると、下半身に無駄な負荷がかからなくなります。その結果、筋肉の緊張がゆるみ、血液のめぐりがよくなるため、むくみにくい身体づくりにもつながります。
不良姿勢の改善
腰痛の原因となる不良姿勢が改善されると、沢山のメリットがあります 。
効率の良い関節の動きがとれ運動のパフォーマンスが上がったり、正しい姿勢をとると背中やお腹の筋肉を自然と使えるようになるので体の代謝が上がり痩せやすくなります。また、姿勢を改善すると偏った部分への体の負担を無くすことができるので、腰痛だけでなく、頭痛、肩こり、ひざの痛み、自律神経症状などの体の不調を予防することに繋がります。
妊娠しやすい体に近づく
腰痛が現れる原因として体の歪みがあります。特に骨盤のバランスが崩れると、骨盤内にある子宮や卵巣なども圧迫されてしまったり、血液の循環が滞ってしまう可能性があります。腰痛を改善することで骨盤内のバランスが整うと、骨盤内の内臓の機能も高まり妊娠しやすい状態となります。
ひどい痛みがある場合は病気の可能性も
腰痛の原因の多くは、腰の筋肉の疲労や、腰の骨(腰椎)への負荷によるものです。この場合は、起き上がる時や前かがみ姿勢の時に痛みが出やすく、横になって楽な姿勢でじっとしていると痛みが軽快するのが特徴です。
一方、急に強い腰痛があらわれて、姿勢とは無関係に痛みが続く場合や、じっとしていても激しく痛む場合、発熱や体重減少などの全身症状を伴う場合には重大な病気が隠れていることがありますので、早期に詳しい検査が必要です。
内臓疾患
内臓疾患であれば、消化器系(胃・十二指腸潰瘍、胆石、胆嚢炎、膵臓炎)、泌尿器系(尿路結石、腎結石、腎盂腎炎、前立腺癌)、婦人科系(子宮内膜症、子宮癌)、循環器系(心筋梗塞、解離性腹部大動脈瘤)などの可能性があります。もちろんこれらの疾患には腰痛以外の症状もあります。消化器系であれば、腹痛、血便、嘔吐など、泌尿器系であれば、排尿障害や血尿、婦人科系であれば、おりもの量の増加や不正出血などが伴います。
また、循環器系の心筋梗塞であれば、締め付けられるような背中や腰の痛み、解離性腹部大動脈瘤であれば、腰や下腹部の激痛などが特徴です。
がん
骨に癌が転移することによる腰痛の場合もあります。癌で亡くなる症例の30%に骨への転移があると言われています。その中でも、腰椎への転移が多いため、腰痛が症状として出ることが多いのです。
転移性の場合は放射線などの化学治療が選択されることが多いですが、手術が適用されることもあります。
骨に転移しやすい癌は、肺癌、乳癌、前立腺癌と言われています。そのため、こういった癌の既往歴がある方や、我慢できないほどのひどい腰痛が起こった場合は、早めに主治医に相談するようにしましょう。
お家でできる腰痛の解消方法
それではこれから、具体的にご自宅でできる腰痛の解消法をお伝えいたします。日々の生活の中で、できるところから少しずつ取り入れていきましょう。
ツボ押し
体には腰痛改善に効果的なツボがあります。今回は手足にある「腰腿点(ようたいてん)」「委中(いちゅう)」「太衝(たいしょう)」という3つのツボをご紹介いたします。
腰腿点は手の甲に2ヶ所あるツボです。人差し指と中指の間と、中指と薬指の間に位置しているので、反対側の手の親指で強めに押してみましょう。委中は膝裏の中央にあるツボで、両手の中指を使うと効果的に押せます。太衝は足の甲の親指と人差し指の間にあるツボで、親指で強めに押したり、専用の棒などを使って部分的に押したりすると効果的です。セルフケアとしてお灸を添えるのもおすすめです。
筋トレやストレッチ
ストレッチを行なって凝り固まった筋肉をほぐすことで、血行を促進したり柔軟性を改善することができます。
腰痛対策には、「腸腰筋のストレッチ」「腰方形筋のストレッチ」「脊柱起立筋のストレッチ」などが効果的です。脊柱起立筋のストレッチは椅子に座った状態で行なえるため、デスクワーク中にも取り入れてみましょう。
ストレッチをする際には、体に負担をかけない適度な強さで行なうこと、定期的に続けることを心がけてください。
冷え対策
身体が冷えると血液の循環が悪くなり、筋肉に疲労物質が溜まりやすくなります。また、血流が悪いとうまく酸素が運ばれず、神経が3月になってしまう事で、腰痛が起こりやすくなります。
入浴や温かい食事、手首や足首など「首」とつく身体が冷えやすいポイントを温め、冷え対策をする事で腰痛の予防にもつながります。
良質な睡眠を取る
腰痛と睡眠は密接な関係があります。
朝起きたとき腰の痛みを感じる人は、布団や枕が合っていない可能性があります。良質な睡眠をとり、しっかりと体を休めることで筋肉も疲労回復します。寝返りには、腰痛を緩和するうえで重要な役割があります。そのひとつが、睡眠中に体の一部分にだけ圧力がかかる状態を防ぐことです。また、血行の促進や体温を調整する働きもあると考えられています。成人が一晩にうつ寝返りの回数は、多すぎても少なすぎてもよくないといわれており、理想は20~40回程度です。とくに、寝返りの回数が少ないと、腰痛が悪化するリスクが高まります。高級なマットレスも寿命は10年程度といわれています。腰痛でお悩みの方は、寝具を見直してみる事も1つの方法です。
まとめ
ここまで、女性に起こりやすい腰痛についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。誰しもが起こりうる腰痛だからこそ、女性としてのリスクも踏まえて、しっかりと対策をしておきたいですね。
住吉鍼灸院では一人一人のお悩みや原因に合わせた妊活サポートを行なっています。
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【監修】
住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
2011年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。 2011年住吉鍼灸院入社。 2017年不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラー。
施術歴13年