こんにちは、
江東区住吉にある不妊専門鍼灸院、住吉鍼灸院です。
今回は妊活中に是非行いたい膣トレについてお伝えしていきます。
膣トレとは？
腟トレとは、膣圧トレーニングの略で、腟まわりの筋肉である「骨盤底筋」を鍛え、膣圧を上げるトレーニングの事です。 骨盤底筋は、骨盤のインナーマッスルと呼ばれていて、子宮や膀胱、直腸などの内部臓器を支えているとても重要な筋肉になります。他の筋肉と同様に生活習慣や加齢によって衰えていきますので、骨盤底筋を鍛えておくことは、妊娠や出産を安全に乗り切るために大切なポイントになります。また、頻尿や尿漏れ、子宮脱という病気を予防する為にも役立ちます。
骨盤底筋の役割
骨盤底筋は、骨盤内の尾骨から恥骨の間をハンモックのように伸びている筋肉の総称です。1つの筋肉を指すように思われがちですが、腸骨尾骨筋、肛門括約筋、深会陰横筋、肛門挙筋、尾骨筋、梨状筋、内閉鎖筋などの筋肉で構成されており、これらの筋肉を鍛える事で骨盤内の臓器を支えたり、排尿・排便などの排泄をコントロールしたり、体の姿勢を保ちやすくしてくれます。
膣トレを行うメリット
膣トレで鍛えられる骨盤底筋には、様々な役割があります。実際に膣トレで期待できるメリットをお伝えいたします。
子宮内の血流を上げる
骨盤の下部にハンモックのように横たわっている骨盤底筋を鍛えると、子宮内の血流がアップします。その事によって子宮周りの冷えの予防や、妊活では生理痛の軽減、子宮機能の向上、お腹まで温まって腸の調子がよくなる、といったメリットも期待できます。
排便や排尿のコントロール
尿道を締め、排尿時以外に尿が漏れるのを防ぐ働きを担っているのが骨盤底筋です。加齢や出産を経験することで誰でも尿漏れや便秘になりやすくなりますが、早い段階からトレーニングを始めると、その防止につながります。さらにシニア世代になったときに、子宮や膀胱が膣から脱してしまう子宮脱、膀胱脱になるのを予防する事にも繋がります。
男性と女性両方の性機能のサポート
骨盤底筋を鍛えると、男性では勃起機能と射精に関連、女性では骨盤底の随意収縮（圧迫）が性的感覚と興奮に繋がり、感度がアップします。性交時に快感を得やすくなったり、経血をコントロールしやすくなるなどの利点があり、男女ともにセクシャルウェルネスにも繋がります。
膣トレは妊活や産後ケアにおすすめ
妊活中の女性には、骨盤底筋を鍛える事で骨盤内の血流を良くし、子宮や卵巣などの生殖器の機能向上が期待できます。また、腸などの消化機能を向上させる事により、妊娠に必要な栄養素をしっかり吸収できるようにしてくれます。妊娠時には骨盤底筋はお腹にいる赤ちゃんをしっかりと支え、出産時に赤ちゃんを外に押し出す力となります。そして、出産時には骨盤底筋が大きくダメージを受けることで、産後すぐに排尿トラブルを感じる女性も少なくはありません。数か月でもとの形に修復されますが、ダメージを最小限に抑え、お産を安全に行うためにも骨盤底筋を鍛えておくことは重要です。
膣トレのやり方
それでは実際に膣トレはどのように行うのか説明していきます！
ウォーミングアップ
トレーニング前の準備として「仙骨を温める」ことも大切です。膣まわりの筋肉を和らげる効果があり、血流をアップさせる事で筋肉を鍛えやすくしてくれます。仙骨とは腰の中央部にあり、背骨の一番下にある三角形をした骨のことです。身体の中心部に位置する土台であり、身体の中でも最も効果的に副交感神経を刺激できる場所としても知られています。 仙骨を温める方法は、シャワーでお湯を30秒ほど仙骨に当てれば完了です。シャワーを浴びれない時は、蒸しタオルやカイロを使うのもいいでしょう。 継続すればするほど効果が出やすいので、是非やってみてください。
立ちながら行う膣トレ
立ちながらできる腟トレについて紹介していきます。好きなタイミングでいつでもどこでもトレーニングができるのが利点です。
①仁王立ちのようにしっかりと立ちます
②腟に意識を向けて、息を吐きながら膣をおへそに向かって引き上げて締めていきます
③3秒キープしたら、息を吐きながら元に戻していきます
また、かかとの上げ下げ運動も効果的です。ふくらはぎやお尻を引き締めるためによく行うトレーニングですが、腟まわりの筋肉を鍛えるのにも役立ちます。「２秒上げて、２秒下げる」を15~20回ほど繰り返して、身体がホカホカしてくるまで行いましょう。
座って行う膣トレ
座りながらフェイスタオルを使った腟トレです。
①縦半分に折ったフェイスタオルをくるくると巻き、棒状にしたものを椅子に縦に置きます。
②タオルを膣まわりで挟むようにして座ります
③息を吐きながら腟をおへそに向かって引きあげます。挟んでいるタオルを軽く持ち上げるようなイメージです。
④そして、息を吐きながら元に戻します
フェイスタオルを挟んでいると、腟に意識が向きやすくなるので慣れるまではタオルを使って練習してみてください。
寝ながら行う膣トレ
次に寝ながらできる腟トレについて紹介していきます。
①仰向けの姿勢になり、両ひざを曲げて立てます
②足を肩幅に開き、体をリラックスさせます
③息を吐きながら、脚が付く位置をお尻に寄せて持ち上げます
④膝から胸までが一直線になったところで10秒キープ
⑤キープ後、10秒間力を抜いてリラックスさせます
ペットボトルを使った膣トレ
次に寝ながらできる腟トレについて紹介していきます。
①仰向けの姿勢になり、両ひざを曲げて立てます
②足を肩幅に開き、体をリラックスさせます
③息を吐きながら、脚が付く位置をお尻に寄せて持ち上げます
④膝から胸までが一直線になったところで10秒キープ
⑤キープ後、10秒間力を抜いてリラックスさせます
膣トレウォーキング
腟トレウォーキングとは、骨盤を意識して正しい姿勢でウォーキングすることです。 骨盤のゆがみが解消することで、自然と骨盤まわりのインナーマッスルを鍛えられます。 以下のポイントを意識してウォーキングしてみましょう。
・背筋はまっすぐ伸ばし、胸を広げる
・膝は曲げない
・骨盤から足を動かすイメージで行う
・かかとから地面に足を付ける
膣トレグッズを使ったやり方・鍛え方
ケーゲルボールと呼ばれる膣トレグッズを膣内に入れて鍛える方法もあります。仕組みとしては握力を鍛えるハンドグリップと同じで、ボールの抵抗によって、骨盤底筋に負荷をかけるトレーニングです。さまざまな素材、重さ、サイズがあるため、自身にあったケーゲルボールを使いましょう！
ケーゲルボールの入れ方
①水溶性のローションを膣やケーゲルボールに塗ります
②仰向けに寝て、リラックスし、ケーゲルボールを膣に挿入します
③ケーゲル球を引き抜くため、ループや紐を膣の外に残しましょう
※この時、ケーゲルボールに傷がないか確認し、傷がある場合には使用を控えてください
※ボールが複数あるタイプの場合は不快にならない範囲で挿入してください。
ケーゲルボールの使い方
①ケーゲルボールを膣で握るように力を入れます
②力を入れた状態を5 秒間キープしてから、5 秒間緩めてください
③②を5回続けて1セットとし、1日3セットまで行えます。
※注意点として、雑菌や細菌などの感染リスクを高めてしまうため、ケーゲルボールを使用する際は、手やボールを清潔にしてください。
※やりすぎたり誤って使用しないようにしましょう。負荷が高くなるので、痛みや不快感、膣の裂傷を引き起こす可能性があります。
膣トレだけじゃない！膣ケアのすすめと注意点を解説
デリケートな膣まわりは、肌トラブルが起こりやすい箇所でもあるためトレーニングだけでなく、正しいケアも必要です。
適度な洗浄
膣内の環境は善玉菌が守っています。洗いすぎてしまうとかえって膣内の善玉菌が減少しおりものの色が変わったり、量が増えたりとデリケートゾーンのトラブルに繋がりやすい傾向にあります。膣内は乳酸菌の働きによって弱酸性に保たれており、自浄作用があるため膣内まで洗わなくて大丈夫です。洗浄は低刺激の石鹸(弱酸性のものがオススメ)で膣の外までを優しく洗いましょう。石鹸を使った後はしっかり洗い流す事がポイントです。
膣まわりの保湿
体や顔を洗ったあとに保湿をするように、膣まわりのデリケートゾーンも確実に保湿すると良いです。入浴では皮膚の水分や油分が失われてしまいやすいので、クリームや乳液などで保湿するのがおすすめです。特に、VIO脱毛やカミソリでムダ毛処理をしたあとは乾燥しやすい状態になります。保湿ケアに使うのはデリケートゾーン専用アイテムでもいいですし、ワセリンでもOKです。デリケートゾーンを保湿するメリットとして、黒ずみ・かゆみの防止や、女性ホルモンの活性化、免疫力低下の防止などが挙げられます。特に膣から分泌される粘液は、女性ホルモンのバランスを整える働きをしています。デリケートゾーンを保湿することで粘液力が下がることを防ぐ効果が期待できるため、妊活中や妊娠中、更年期世代の女性は特にデリケートゾーンの保湿と同時にマッサージを習慣にするのがおすすめです。
マッサージでほぐす
膣マッサージは膣の中と膣まわりを含むデリケートゾーンをオイルマッサージする膣ケア方法で、健康や美容に役立つさまざまな効果が期待されています。しかし、自分で触れるのは恥ずかしいという思いから、膣の中に自分の指を入れることに抵抗がある人は少なくありません。まずは膣の外側から始めて、慣れてきたら膣内もマッサージしてみましょう。膣マッサージで膣や膣まわりを普段からほぐしておくと血流が良くなるので、生理時の痛みの軽減につながることもあります（生理中のマッサージはNGです）また、膣マッサージでも膣のゆるみの改善や尿漏れ予防効果も期待できます。
まとめ
ここまで、膣トレを行うメリットと具体的な方法をお伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか？妊活は勿論ですが、歳をとった際にいつまでも健康でいる為にも、膣トレを行うメリットは大きいですね！
ここまでお読みいただきありがとうございました！膣トレの他にも、妊活に対する疑問やお悩みがある方は、是非お気軽にご相談下さい！
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【監修】
住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
２０１１年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。 ２０１１年住吉鍼灸院入社。 ２０１７年不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラー。
施術歴１３年
