経皮毒とは?身の回りに潜む、意外と知らない毒の知識

2016/02/10

 

 

 

 

 

 

こんにちは、

江東区住吉にある不妊専門鍼灸院、住吉鍼灸院です。

今回は身の回りに潜む経皮毒についてお伝えいたします。

 

経皮毒とは?皮膚から吸収される毒

みなさん、経皮毒と聞いたらどんなことをイメージしますでしょうか?聞いた事がある方と、そうではない方がいると思います。「経皮毒」とは、字の通り、皮膚(経皮)を通して、体の中に入ってくる有害化学物質(毒)のことです。

 

体内への毒の侵入経路とは? 

化学物質が体内に取り込まれる経路は3つあります。1つ目は口から入る「経口吸収」、2つ目は呼吸器(肺)から入る「吸入吸収」。(3つ目は皮膚から入る「経皮吸収」 これには口腔内や肛門等の粘膜から入る「粘膜吸収」も含みます。)

 

経口吸収

飲み込まれた化学物質(異物が口から入ってきた場合)には、人体の防御反応として、嘔吐したり下痢をしたりして毒素を体外に排出しようとする反応が起こります。排出しきれなかった毒素は消化器官で吸収されて肝臓に送られ、そこで代謝酵素によってある程度は分解されて、尿などとして体外へ排出されます。しかし、排出されなかった残りの毒素は血液循環によって全身に回り、他の臓器や各器官に蓄積されて悪影響を及ぼします。経口吸収では、肝臓の解毒作用で、毒性が弱められるのが経口吸収の特徴です。

 

吸入吸収

人は、普通4~7リットル/分(激しい労働の場合は50リットル/分)の空気を呼吸し、肺で酸素を取り入れています。吸い込んだ空気は気管→気管支→細気管支→肺胞(肺の一番奥にある袋状のもの)に入っていきます。 肺胞では、毛細血管が肺胞を包むように(毛細血管がマスクメロン状に)走っており、薄い膜を通して毛細血管の血液へ、空気中の酸素を供給しています。

肺胞の大きさは、0.1~0.3mmで、両肺を合わせると70平方メートルもの表面積があり、この広い面積で吸い込んだ空気と血液が接触し、酸素を供給しています。したがって、吸入した空気中に含まれる化学物質も、肺胞の広い面積を通して血液と接触し、血液中に取り込まれ、健康に影響を与えます。つまり、多くの化学物質が、ガス、蒸気、粉じん、ヒユーム,ミストとなって、体に取り込まれる可能性があるのです。先ほども述べたように肺胞は面積が非常に大きく、そこから取り込まれる空気の量も多いので、吸入による化学物質の影響は、非常に大きいものとなります。対策としては、作業環境改善で作業場の化学物質濃度を低くしておくことが基本です。必要に応じて防じんマスクや防毒マスクなどの呼吸保護具を着用して、呼吸器からの侵入を防ぎます。

 

経皮吸収 

腰痛や肩こりで湿布薬を貼ったり、薬を塗ったりしますが、これは薬効成分を皮膚から吸収させているのです。薬効成分も化学物質ですので、薬剤と同じように皮膚から体内へ吸収される(経皮吸収)ということです。体の表面を覆っている皮膚は、約1.6平方メートルの広さです。一番外側を表皮といい、厚さが0.1~0.3mmで表面は角質層で覆われていますが、毛のう、汗腺、皮脂腺が開口しています。表皮の下には、厚さが0.3~2.4mmの真皮があり、毛細血管が網状に走っています。化学物質は表皮を通り抜け、体内に侵入し、リンパ管や毛細血管に流れ込み体循環し、多くは、酵素の解毒作用を受けることなく、毒性の高い状態でそのまま、骨組織、脂肪組織、各臓器へ蓄積され影響を与えます。化学物質に対しては、皮膚表面の皮脂膜と角質層が保護膜(バリア)となりますが、脂溶性の化学物質に対しては効果が弱くなります。一般に、水や油に溶解しやすい化学物質ほど、皮膚吸収されやすくなります。また、皮膚からの吸収は、角質層での浸透性が大きく影響しますが、毛のう、皮脂腺からの吸収もあります。夏季は、毛のうの開口部が開き、侵入が容易になりますし、皮膚に傷などがあると吸収が多くなります。また、口の中や肛門など、粘膜で覆われた部位における吸収を「粘膜吸収」といいますが、この部位には角質層がないので、皮膚バリアが全く効かず、化学物質は簡単に吸収されてしまいます。座薬に即効性があることからわかるように、粘膜吸収による吸収率は角質を通過する経皮吸収の13倍近くに及ぶともいわれています。

 

経皮毒の症状 

 

 

 

 

 

 

 

それでは、経皮毒とは具体的にどんな症状が起こるのか見てみましょう。

 

中毒症状

化学物質が有毒であると、その毒性に反応し体のいたる所で中毒症状を引きおこします。有機水銀が原因の水俣病などが代表です。

 

アレルギー症状

 

体内の抗体物質が毒性に対し過剰に反応することで、アトピー・喘息・花粉症などのアレルギー症状が出やすくなります。

 

発がん性

がんを引き起こす原因となる物質で、多くの化学物質に含まれます。アスベスト、ベンゼン、カドミウム、塩化ビニルポリマーなどの有害化学物質が皮膚を通じて体内に入ると、子宮内膜症、乳がん、子宮がん、卵巣がんの発症率を高める可能性があります。

 

内分泌撹乱性ホルモンの誘発

いわゆる環境ホルモンと呼ばれるDDT,ダイオキシン類、DES、PCB、ノニルフェノール、トリブチルスズなどの化学物質が、外部から侵入して内部の正常なホルモン(内分泌ホルモン)を混乱させ、様々な障害を引き起こす可能性があります。不妊症や子宮内膜症、子宮筋腫などの婦人科疾患に影響すると言われています。

 

脳に関する病気の誘発

化学物質の一つ、酸化アルミニウムは認知症、自閉症、学習障害、適応障害などの原因の一つとも言われていて、キレやすい子ども、学級崩壊、ひきこもりなどの原因とも言われています。

 

経皮毒吸収率は体の部位によって異なる

私たちの皮膚は、部位によって厚さが異なります。
手のひらや足の裏の角質層が約 0.4~0.6mm あるのに対して、顔は0.1mm 程度の厚さしかありません。当然、有害な物質も角質層が薄い部位ほど、侵入しやすくなります。

 

生殖器が最も吸収されやすい

経皮吸収率は場所によって異なります。腕の吸収率を1とした場合、男性の陰嚢は42倍、女性の陰部は50倍と言われています。有害物質は脂肪と結びつく物性があり、特に女性は胸や子宮に溜りやすいという特徴があります。

 

その他の部位別の吸収率

体の他の部分の経皮吸収率をみてみると、足の裏0.14倍、手の掌0.83倍、背中1.7倍、頭部3.5倍、脇の下3.7倍、おでこ6.0倍、頬13倍となっています。角質層がない粘膜部分は経皮吸収されやすく、全体と比べても生殖器の経皮毒吸収率が高いです。

 

身近にある経皮毒とは?

 

 

 

 

 

 

 

私たちが日常で何気なく使っている物の中には、多くの化学物質が含まれている可能性があります。化粧品、基礎化粧品、ハンドクリーム、台所洗剤、シャンプー、リンス、カラーリング剤、入浴剤、歯磨き粉、アセトン、人工香料、柔軟剤、静電気防止用剤、生理用ナプキン、タンポンなどの中には、体に有害な化学物質が含まれている事があるので、注意が必要です。

 

経皮毒の治療法はあるの?

体内の毒素は主に便や尿、汗、毛髪などから排出され、その割合は便が75%、尿が20%、汗が3%、毛髪と爪が各1%といわれています。体に溜まった毒素は肝臓で代謝され便になって排出されます。そのため、まずはしっかりと水分を摂り血液の循環を良くする事が重要です。そして肝臓と胃腸の機能を高め、排便をスムーズにし体内の毒素を排出しやすい状況を作る事が大切です。また、ファスティング(断食)などで腸内環境を整え宿便などを排出するのも効果的です。

 

日常で気をつけること

 

 

 

 

 

 

 

 

経皮毒は体内に蓄積されやすいため、なるべく体に有害な化学物質を吸収させないようにする事が重要です。

 

《化学物質製品を取り扱う場合》

  • 化学物質を取り扱う場合は必ず保護手袋を着用する。
  • 長袖の作業服を着用して、皮膚を露出しないようにする。

 

《日常生活での工夫》

  • プラスチック製の器具や容器よりも陶器や木製の安全素材のものを使用する。
  • 界面活性剤を含む合成洗剤、シャンプー、歯磨き粉、化粧品を使用しない。
  • 有機野菜や無農薬野菜を選ぶようにする。
  • 食品添加物の入った食品・食材を使用しない

 

まとめ

ここまで経皮毒についてお伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか?住吉鍼灸院では、鍼灸治療により内臓の機能を高める治療を行なっています。また、ゴッドクリーナーという機械を使用し、足湯をしながらデトックスができる治療も行っています。

 

体本来の代謝の力を高めたい方、デトックスに興味がある方は、ぜひお気軽にご相談下さい。

 

住吉鍼灸院では一人一人のお悩みや原因に合わせた妊活サポートを行なっています。

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【監修】

住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

2011年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。
2011年住吉鍼灸院入社。
2017年不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラー。

施術歴13年

 

 

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