胃下垂の原因や治し方とは?自分でできる改善方法もご紹介!

2021/12/22

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは、江東区住吉にある不妊専門鍼灸院、住吉鍼灸院です。

本日は皆さん一度は聞いたことのある身近な症状「胃下垂」について、妊活との関連も踏まえつつ、どういったものなのかをお伝えいたします。

胃下垂とは?病気なの?

 

 

 

 

 

 

 

 

胃下垂(いかすい)とは、胃が正常な位置よりも垂れ下がっている状態をいいます。重症になると、骨盤の位置まで胃が落ち込むこともあるとされる疾患です。そのため胃下垂の人は下腹部がぽっこりしている事も多いです。さまざまな腹部症状を訴える方がいる一方、無症状の場合もあり、特有の症状がないことなどから、西洋医学では病気として扱われない場合も多くあります。

しかし、実際の臨床では胃下垂の患者さんは胃壁の筋肉の緊張が低下し、胃の動きが鈍くなる胃アトニーと呼ばれる状態を患う事があります。胃アトニーを患うと、さまざまな症状を訴えることがあり、その場合は治療の対象となります。

 

胃下垂の症状

胃下垂は胃だけが下がっているのではなくその他の内臓も下垂をおこしていることが多いです。胃の働きが低下しているために、内容物を十二指腸へ送り込む力が弱くなり、食欲不振や胃のもたれ、胸焼け、ゲップ、腹部の膨満感、消化不良、下痢、便秘などの症状を引き起こします。症状がひどくなるとさまざまな消化器症状を誘発することが多く、その場合は自律神経を整える治療が必要になることもあります。

 

胃下垂を放置すると?

胃下垂を放置してもとくに何も起こらず、無症状な人もいます。そのような場合は基本的に何もしなくても構いません。しかし中には、さまざまな症状が出る人もいます。胃痛や胃潰瘍といった胃の不調だけではなく、骨盤内臓器である子宮・膀胱・直腸にも影響し、頻尿・尿もれといった症状が出ることもあります。

最近の研究では、これらの症状は胃が下垂しているから起こる症状というよりは、むしろ自律神経の乱れが主な要因だと分かってきました。

 

胃下垂と妊活の関係とは?

先ほど胃下垂は骨盤内臓器にも影響を及ぼすとお伝えしました。骨盤内臓器である子宮は血流が大きくかかわる臓器ですので、胃下垂によってお腹の血管を圧迫してしまうと、子宮にも悪影響を及ぼします。

また、胃下垂の症状は自律神経の乱れからくるとお伝えしましたが、自律神経は妊活にも大きな影響があります。女性の身体が男性の精子を受け入れやすくするには、リラックスした状態になる事が重要です。自律神経が乱れ、交感神経が優位になると、身体を守ろうと免疫機能が過剰に働き、精子を排除しようとしてしまうのです。

そして、妊娠した後も子供を育てるにはたくさんの栄養が必要になります。その栄養素は食事から摂取しますので、胃腸の機能を高めてしっかり消化吸収できる体づくりが大切になってくるのです。

 

胃下垂の原因とは?

胃下垂の主な原因は大きく3つに分けられます。1つ目は遺伝的な要因、2つ目は加齢によるもの、そして3つ目は生活習慣によるものです。

遺伝的な要因

一部の人々は、遺伝的な要素により胃の筋肉が弱く、胃が下垂しやすい体質を持っています。これは先天的な特性で、親から子へと受け継がれる可能性があります。

加齢による要因

年齢とともに人体の筋肉は自然に衰えていきます。この現象は全身に及び、胃の筋肉も例外ではありません。したがって、加齢に伴って胃の筋肉が弱くなり、胃が下垂する可能性が増えます。

生活習慣による要因

不適切な食生活、運動不足、ストレス、過度の飲酒喫煙などの生活習慣は、胃の健康に悪影響を及ぼし、胃下垂を引き起こす可能性があります。特に、食事のバランスが偏り、ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足すると、筋肉の機能が低下し、胃が下垂しやすくなります。

姿勢や動作、食事内容、睡眠、精神的なストレスなどにより、胃下垂になりやすいと言われていますので、毎日を健康に過ごすためには、できるだけ腰や内臓に負担のない姿勢、日々の生活習慣を整える必要があります。

 

胃下垂になりやすい姿勢

一般的に猫背の人は体が前かがみになってしまうため、上半身の重みにより胃が上部から圧迫を受け、胃が下がり胃下垂になります。

スマホやパソコンの利用に伴い、猫背になる人が増えています。液晶画面を見る際に、つい頭が下がり、それによって肩も内側に入って姿勢が悪くなることも多いでしょう。胃下垂を防ぐためにも常に良い姿勢を心がけ、背筋を伸ばすことを意識しましょう。

胃下垂になりやすい食事

以下のような食事の取り方をしている人は、胃の消化に負担をかけたり、自律神経を乱すことから、胃下垂を引き起こす原因になります。

・暴飲暴食をすることが多い

・食事中、かむ回数が少ない

・刺激物・甘いもの・脂っこいものが好き

・大量のカフェインやアルコールを摂取している

 

胃下垂になりやすい体形

胃下垂はやせ型の体形の人がなりやすいと言われています。

その理由は、やせ型の人は内臓を固定する靭帯が弱いことがあるからです。

痩せ型の人は、腹壁の筋肉や脂肪が通常より少ない為、腹部の圧力が低下しやすいと考えられます。また出産経験がある方は、妊娠によって緊張していた腹壁が出産によって緩んでしまうことから胃下垂がおこりやすいと言われています。

 

病院での胃下垂の治療方法と流れ

胃下垂はとくに困った症状がなければ病院で治療をする必要はありません。

しかし胃痛や食欲不振など、日常生活に支障をきたす症状がある場合は内科や消化器科、胃腸科を受診しましょう。病院では、胃下垂を治すための手術療法は基本行いません。治療方法は、薬物療法、食事療法、理学療法が中心となります。

 

薬物療法

胃下垂で胃痛などの症状がひどい場合、病院では制酸剤などの薬物を投与します。そして吐き気や胸やけのなどの症状が重い場合は、制吐剤(胃排出機能促進剤)や自律神経調整剤などが処方されることも多いです。

また胃下垂におけるお腹の不調は、ストレスなどの心理的要因が関わっていることもあります。

患者の様子に合わせて抗不安薬なども取り入れ、症状を改善させていきます。

 

食事療法

胃下垂は正しい食事療法をすることにより改善できることが多いです。病院では患者の状態に合わせて適切な食事指導をす行うこともあります。例えばやせ型で全体的に食事の摂取量が少ない場合、食事の回数を増やして栄養価の高いものを取ることが効果的です。

また胃に負担をかけないよう、消化しやすい調理をしたり、よく噛むことが大切です。患者によってはアルコールやカフェインを含むコーヒー等の摂取を控えるよう指導することもあります。 胃下垂の食事療法は食事を制限するのではなく、自分の体に合う食生活を取れるような指導が中心です。

 

理学療法

胃下垂を改善するために理学療法を取り入れている病院もあります。

具体的には食後に体の右側を下にして横になるなど、消化吸収を促す姿勢を指導する方法です。

また腹筋の発達を促すためのストレッチや筋トレなどを指導することもあります。

痩せている人はある程度体重を増やして脂肪をつけることで、胃下垂の状態が改善することもあります。こうして日常的に取り入れられるストレッチや治療体操を指導し、腹筋を鍛えることで胃下垂の改善が期待できます。

 

胃下垂のセルフチェック

自分が胃下垂かどうかを確かめるには、病院に行って胃X線検査を行う必要がありますが、

自分で胃の症状を確かめることで、ある程度胃下垂かどうか確認することも可能です。

以下の症状が一つでも当てはまる場合、胃下垂の可能性があります。

・食事をするとすぐお腹がいっぱいになる

・食後に下腹部が膨らむ

・食後に胃もたれや吐き気がある

・少量の食事でも膨満感が続く

・胃の調子が悪いことが多い

・よく下痢や便秘をする

この他にも食欲不振や吐き気、げっぷが多い場合も胃下垂の可能性があります。

胃下垂の確定診断は、バリウムを飲み、胃のX線検査をすることでわかります。

そこで胃の折れ曲がる位置を確認し、胃下垂かどうかを判断することが多いです。

 

簡単に実践できる胃下垂のセルフケア

 

 

 

 

 

 

 

胃下垂は日々の生活習慣が大きく関わることから、その分セルフケアで症状を緩和したり予防する事が重要です。簡単にお家でできるセルフケアをお伝えしていきます。

 

猫背姿勢改善

典型的な猫背姿勢(肩が内側に入り背中が丸まってしまう姿勢)の解消には肩甲骨の間の筋肉を鍛える筋トレ、前屈みで圧迫感を緩めるストレッチ、日々の座り方の改善が有効的です。

《筋トレ》

まずは、あごを引き&頭を下に向け、両手を前に伸ばしていきます。その姿勢で10秒間キープ。( 肩甲骨を伸ばすことを意識してください。また肘は肩と同じ高さでキープしましょう)

次に、頭を正面に向け、その状態で肘を身体の後ろに向かって引いていきます。肘をひききったら、その姿勢で10秒間キープ。( 肘を引くときに、肘の高さが下がらないように注意してください)

最後は、先ほどの状態から肘の高さは変えずに、そのまま手の平を正面に向けていきます。その姿勢で10秒間キープ。( このときにも、肘の高さが下がらないように注意してください)

《ストレッチ》

バスタオルを筒状に丸めます。( 一枚では厚みが足りないので、23枚重ねるのがオススメです)

仰向けになり、丸めたタオルを肩甲骨の下辺りにセットします。( 肘を引くときに、肘の高さが下がらないように注意してください)

次に、両手を頭の後ろに持っていき.、寝ながらバンザイの体勢になります。( 無理をしない程度にあごを引くと、より効果が得られます)

《座り方》

椅子に座るときは前かがみでお尻をグッと一番後ろまで引く

あごを引き背筋を伸ばす

肩の力を抜きリラックスする

椅子に肘掛がある場合、肘は肘掛に置き、90°になるように心がける

ひざが股関節と平行、またはわずかに高くなるようにする

机と椅子の間が開きすぎないよう調整する

 

腹圧を高める運動

腹圧を高めるトレーニングには、まず体幹トレーニングの一種である「ドローイン」が挙げられます。正しい方法で呼吸することにより腹横筋を収縮させられるほか、腹斜筋や骨盤底筋を刺激することもでき、これらの効果によって腹圧が高まります。また腹横筋が収縮することで、腰痛の解消やくびれ作りも期待できます。

《やり方》

①仰向けに寝たら、膝を立てて6090度ほどに曲げる

②太ももの横に両手を置く(手のひらは上向きにする)

③息をゆっくりと吐きながら、5秒ほどかけてお腹を凹ませる

④息をゆっくりと吸いながら、5秒ほどかけてお腹を元に戻す

 

食事のとり方

胃下垂は普段の食事内容や、食べ方の影響を受けて発症することも多いです。アルコールの多量摂取や、脂っこいものばかり食べるような食生活は避けましょう。また、胃下垂でなくても、予防する観点から、食事を取るときは以下のようにして食べることが重要です。

・よく噛んでゆっくり食べる

・コーヒーや香辛料は少なめにし、取り過ぎないようにする

・食事を14回以上に分け、栄養価の高いものを少量ずつ食べる

・水分を少なめにし、消化しやすい形に調理して食べる

胃に負担をかけないようにするためには、食事を数回に分けて栄養の高いものを食べることが大切です。夕食はなるべく量を少なくし、朝食をしっかりと食べるようにしましょう。

 

胃下垂にならないために日頃から行いたい予防法

胃下垂は症状がないことも多いですが、東洋医学的に考えると病気の一歩手前の『未病』と言う状態と言えます。東洋医学は予防医学ですので、症状が現れる前に生活習慣から改める事が大切です。姿勢や動作、食事内容、睡眠、運動について、現在行っている習慣を見つめ直してみましょう。また、鍼灸治療はツボを使って内臓の機能を高めていきます。セルフケアとしておツボ押しやお灸を取り入れるのもおすすめです。

 

《胃下垂にオススメのツボ》

・中脘

中脘は、消化器官全般の不調に効果的なツボです。特に、胃腸の働きを活発にする作用があるため、胃腸の病気の時によく使います。中脘は、上腹部の正中線上にあるツボです。臍とみぞおちを結んでいる真ん中にあります。

・足三里

足三里は、胃を丈夫にする働きのあるツボです。胃腸の不調、頭痛や倦怠感などに効果的です。足三里は、膝のお皿の3寸下の、脛骨の外の筋肉の上にあります。

・百会

百会には、内臓下垂などの下がった状態を正しい位置に持ち上げる効果があるため、胃下垂にも有効です。百会は、頭頂部の耳先の真上にあるツボです。左右の耳先を結んだ線の中央にあります。

 

住吉鍼灸院の胃下垂改善の施術方法

胃下垂の問題として、解剖学的には骨盤内臓器の圧迫による血流低下、自律神経の乱れ、消化機能の低下が挙げられます。また、東洋医学的に見ると、胃下垂は「気の固摂作用」が低下した状態と考えられます。 「気の固摂作用」とは体の内側に働いている気の作用のことで、体内にある内臓や液体が体外に漏れないように内に留めておく作用があったり、内臓の位置を保つ働きがあります。気の作用が低下し、「気虚」と言う状態になる事で固摂作用が低下してしまうと、内臓の位置が一定に保てず、胃下垂などの内臓下垂が起きてしまうと言われています。

住吉鍼灸院では、鍼とお灸を使い『気』を補う治療、内臓の反応点を見ながら胃腸の機能を高める治療、レーザーやオイルトリートメントなどを使用し、自律神経を整え、骨盤内の血流を改善していく治療を行います。

 

まとめ

ここまで、胃下垂についてお伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか。胃下垂は細身の女性や、年齢を重ねるごとに起こりやすい病気です。妊活を行う上でも消化器系の働きはとても重要になりますので、自分が胃下垂かもと感じた場合は、お気軽にご相談いただければとおもいます。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

住吉鍼灸院では一人一人のお悩みや原因に合わせた妊活サポートを行なっています。

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【監修】

住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

2011年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。
2011年住吉鍼灸院入社。
2017年不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラー。

施術歴13年

 

 

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