こんにちは 住吉鍼灸院です。 みなさん、「チョコレート嚢胞」って聞いたことありますか? チョコレートって甘くて美味しい、あのチョコレート…? そうです。あのチョコレートです。 チョコレート嚢胞は正式には【子宮内膜症性卵巣嚢胞】と言われ、子宮内膜症の1つとされています。 子宮内膜症が卵巣内で発症し、卵巣で病変した子宮内膜症は徐々に卵巣内に嚢胞を形成し、月経の度にこの嚢胞内で出血を繰り返し、内腔に古い血液が溜り、チョコレート嚢胞と呼ばれる血腫となるのです。 その状態が溶けたチョコレートのように見えることから可愛らしい名前がつきました。 しかし! かわいいのは名前だけ。 放っておくと癌のリスクまである疾病です。 問題点がいくつかあるのでお伝えします。 1つめ 「日常生活に支障をきたす痛み」 *月経痛…癒着が進み、年々月経痛がひどくなります。ひどいと日常生活に支障をきたすほどの痛みです。90%の方が月経痛に悩んでいます。 *下腹部痛・腰痛…さらに癒着が進むことで月経時以外にも下腹部痛や腰痛が出ます。性交時の痛みもこれが原因かもしれません。 *排便痛…意外という感じですが、直腸と癒着してしまうことで排便痛が出てきます。 *急性虫垂炎…卵巣に出来たチョコレート嚢胞が破裂して急性腹症を起こし、急性虫垂炎として手術中に発見されることもあります。 2つめ 「不妊の原因」 不妊には3大因子として、卵管因子、排卵・卵巣因子、男性因子がありますが、そのほかにも、子宮内膜症や、子宮奇形、子宮筋腫も不妊の原因とされています。卵管に内膜症が起これば、卵管が癒着して卵子が通過できなくなります。とはいっても、子宮内膜症があっても妊娠、出産をしている人はいるので必ずとは言えません。 3つめ 「再発」 術後妊娠例のほとんどは2年以内に成立するといわれますが、妊娠に至らない場合は再発の心配があります。晩婚化や子宮内膜症の若年化もあり術後5年で40~50%が再発するとされています。 4つめ 「癌化する」 レアケースですが、卵巣癌になるリスクがあります。20~30歳代では1%前後ですが、40歳以降は4~5%に増加するといわれています。子宮内膜症は出産したら治るとか、閉経したら治るとか言われてきましたが、癌化を予防するには40歳以降の子宮内膜症に対して根治療法をしていく必要があります。なんと50歳以降の癌化率は20~25%、更に60歳になると約50%が癌化するといわれているのです。 これはもう放っておけないですね。 ただの月経痛と思わず一度病院に行くことも考えてみましょう。 今回はチョコレート嚢胞がどのようなものかをご紹介しました。 次回は西洋医学的、東洋医学的に治療法をお伝えします。 最後までお読みいただきありがとうございました。
チョコレート嚢胞って鍼効くの?
2020/04/08