こんにちは、東京都江東区住吉にある不妊専門鍼灸院、住吉鍼灸院です。
当院では不妊治療の患者さまの施術を行うことが多いのですが、大半の方が肩こりの症状を仰います。
今では日本人の国民病ともいわれる肩こり。日本人の73.5%が肩こりで悩んでいると言われています。
最近では在宅ワークも増えてきたことでより一層肩こりに悩む方も増えている傾向があります。
一言で肩こりと言っても、症状の程度は個人差が大きいのも肩こりの特徴ではないでしょうか。中には肩こりにめまいを併発するケースもあります。
では、肩こりにめまいが伴う原因は何なのでしょうか。
めまいを伴う肩こりの改善方法はあるのでしょうか。
今回は肩こりからくるめまいの原因と解決方法についてお話していきます。
肩こりの改善にもつながりますので、是非最後までお読みいただけますと嬉しいです。
肩こりからめまいが起きる原因は?
まずは肩こりとめまいが併発する一般的な原因は何でしょうか。
考えられる原因は下記のとおりです。
・長時間の同じ姿勢
・スマホやパソコンの見過ぎによる眼精疲労
長時間の同じ姿勢
長時間同じ姿勢でいると、肩こりに関係する僧帽筋を中心とした筋肉が凝り固まって緊張し、血流が滞ってしまいます。
筋肉が緊張することで脳に血液が送り届けられず、酸素不足になる事で頭重感やしめつけられるような頭痛が出現し、これらにめまいが伴うことがあります。
また、首の周囲には多くの神経がありますが、長時間同一姿勢でいることで神経にも負担がかかり、脳に正常な情報が届けられなくなります。
神経が異常をきたすことで、めまいが起きてしまうのです。
スマホやパソコンの見過ぎによる眼精疲労
現代はスマホやパソコンが普及し、大半の方が長時間の使用により目を酷使してしまっています。
眼精疲労により肩こりが悪化し、めまいを伴うことも少なくありません。
また、スマホやパソコンを見る際には気づかぬうちに猫背になり、頭が首より前に出る姿勢になることも多いです。
この姿勢は首や肩に負担がかかるので、肩こりの原因になりますし、上記でもお話した通り、脳へ血液が送り届けられにくくなり、酸素不足によりめまいが出ることがあります。
肩こりが原因のめまい以外の症状は?
肩こりが原因で身体に現れる症状として、めまい以外に頭痛や吐き気、痺れなどがあります。
それぞれについてお話していきます。
肩こりによる頭痛
肩こりには頭痛を伴うことも多くあります。
肩こりからくる頭痛は「緊張型頭痛」と呼ばれ、血流不足により頭蓋骨や筋膜に負担がかかることで起こります。
ハチマキを巻いたように締め付けられるような痛みが特徴で、頭が重たく感じる頭重感が出現する場合も多いです。
肩こりによる吐き気
首には神経がたくさんあり、筋肉が凝り固まることで血管と共に神経が圧迫され、肩こりによって吐き気を伴うことがあります。
また、姿勢が悪い人は首の骨がズレてしまい、神経を刺激して吐き気を生じることがあります。
肩こりによる痺れ
肩こりがひどくなり、背中まで痛みが広がる場合には、肩から腕、指先にかけて痺れが起きることがあります。
頸椎が原因で痺れが腕に広がる場合には、首を傾けたり回したりするだけでも痛みやしびれが生じます。
肩こり以外で起きるめまいの特徴は?
肩こりによるめまいの特徴としては、なにかの動作をしようとしたときや、無意識にでも首の位置が変わった拍子にフラッとしやすいとか、歩いているときにふわふわして足が地につかないように感じるめまいです。
下記のような眩暈の場合は肩こりのみが原因でないことも考えられますので、注意が必要です。
・回転性めまい
・動揺性めまい
回転性めまい
回転性めまいとは、実際には動いていない状況で自身または周囲が動いているように感じられる感覚のめまいです通常、知覚される動きは回転(ぐるぐる回るような旋回する感覚)ですが、単に片側に引っ張られるように感じる方もいます。いずれの感覚の場合も、悪心および嘔吐または平衡障害、歩行困難を伴う場合があります。
回転性めまいは、耳が原因であることが多いと言われています。 そのため、回転性めまいを発症した際には、耳鼻咽喉科を受診することをオススメします。
動揺性めまい
動揺性めまいでは、身体がふわふわと浮くような感覚、姿勢を保つのが難しい、まっすぐ歩けない、といった症状が出ます。浮動性(動揺性)めまいは「中枢性」「全身性」「薬剤性」「心因性」の4つに分けられ、それぞれで原因は異なります。
中枢性めまいは、脳の中でも小脳や脳幹に障害が起こることで発症します。脳梗塞や脳内出血などの病気が原因の可能性もあり、激しい頭痛や嘔吐、手足のしびれや脱力感を伴う場合があります。そのような症状が出た際には、一刻も早く病院で診察を受けてください。
全身性めまいは身体の一部分の障害が原因で起こるものではなく、身体全体の問題から発生するものです。原因として多い例は「自律神経失調症」と言われています。また、貧血や発熱などが原因である場合もあります。
薬を服用している人で動揺性めまいがある人は、薬の副作用によるものかもしれません。抗生物質や精神安定剤、降圧剤などdで症状が出やすいといわれています。市販薬でも出る場合があります。薬を服用していてめまいが出るという人は、一度医師や薬剤師に相談してみることをおすすめします。
耳や脳の病気でもなく、「特に異常がありません」と明確な原因が分からない場合には「心因性」と扱われる場合があります。これは精神的なストレスや自律神経の乱れが内耳や脳幹の機能に悪影響をもたらして発症すると考えられています。心因性めまいの治療には、原因となっているストレスを取り除いてあげることが大切です。もし、長く続くようであれば、うつ症状や自律神経失調症に繋がってしまう場合もあるため、心療内科へ相談してみることをおすすめします。
肩こりによるめまいの対処法は?
では、肩こりによるめまいはどのように対処していけばいいのでしょうか?
対処方法についてお話していきます。
普段の生活で是非取り入れてみて下さいね。
肩周りの筋肉のストレッチ
最も簡単にできる対処方法としては、肩周りの筋肉のストレッチが挙げられます。
肩を軽く回すだけでも血流が促進され、凝り固まった筋肉がほぐれることで肩こりの改善につながります。
デスクワークのすき間時間などを利用して定期的にストレッチを行うようにしましょう。
温熱療法
肩こりには身体を温めて血流を良くすることが大切です。
入浴がおすすめですが、入浴できない場合には濡らしたタオルをビニール袋に入れてレンジで温め、肩に当てるだけでも温めることができます。
最近は市販で肩を温めるような商品も販売されていますので、そちらを利用することもお勧めです。
適度な運動
運動不足が続くと、筋肉の柔軟性が失われて硬くなり、筋力も落ちてしまいます。
日本人は頭の大きさの割に身体が華奢な人が多い傾向にあります。
そのため、肩に負担がかかりやすいのです。
身体を支えるためには、ある程度の筋力は必要になるので、適度に運動をすることをお勧めします。
最近では、オンラインでのエクササイズなどご自宅で簡単に取り入れられるものも出てきています。画面の見過ぎは注意が必要ですが、皆さまの生活の中に取り入れやすい方法を選んでみて下さい。
眼精疲労対策
眼精疲労からくる肩こりによってめまいが起きる場合の改善方法としては、定期的に休憩を挟み、目を休ませることが大切です。
ドライアイを伴う場合には、目薬がお勧めです。
遠くを見たり、自然の緑を見るだけでも目の筋緊張がほぐれて、眼精疲労が和らぎます。
また、市販の目を温めるような商品も販売されていますので、そちらを利用することもお勧めです。
睡眠時間を確保する
睡眠は目を休めたり、肩周りの筋肉を休めることにもつながります。質の良い睡眠を取ることで内臓が休まり、筋肉へ送り込める血液量を増やすことにもつながりますし、睡眠中は副交感神経が優位になる事で血管が拡張し、血液を届ける道を広げることができます。
鍼灸治療
鍼灸治療は、血流を改善することが得意分野ですので、凝り固まった筋肉の血液循環を改善していくことができます。また、自律神経の中でも副交感神経を優位にすることができますので、心身をリラックスさせることができ、肩こりや眼精疲労の解消、そして睡眠の質を高めることにも力を発揮してくれます。
また、肩こりが姿勢の癖や歪みから起きている場合は、骨格のゆがみ矯正などを行うこともでき、専門家によるアドバイスを受けることができます。
市販薬の服用
どうしても辛い肩こりの場合は、一時的に市販薬を使うことがあってもいいのですが、ここで注意していただきたいことは、お薬は決して根本改善ではない、ということです。
そのため、症状が落ち着きましたら、根本改善を行い、市販薬を使うことのない状態をつくっていきましょう。
内服薬を使用する場合は、鎮痛作用のある飲み薬やビタミン剤の使用をお勧めします。
より即効性を求める方は鎮痛剤がいいでしょう。早いものであれば30分程度、遅くとも飲んでから1~2時間経つと効果が出てきます。
ビタミン剤を飲む場合は、ビタミンB1が含まれているものを選びましょう。ビタミンB1は糖質の分解に必要な栄養素で、不足すると筋肉に乳酸などの疲労物質が溜まってしまいます。そのため、ビタミンB1を摂ることで、筋肉中の疲労物質が溜まることを防いでくれれます。
消炎鎮痛剤に比べると即効性は劣りますが、鎮痛剤による胃への負担が不安な方などにはおすすめです。
外用薬を使用する場合は、ロキソプロフェンやケトプロフェン、インドメタシンなどの消炎鎮痛作用を持つ成分がお勧めです。
湿布薬や塗り薬として販売されていますので、肩こりに悩む方にとって湿布薬を使用する方も多くいらっしゃいます。
汗をかきやすい夏の時期など、湿布によるかぶれを起こしやすい方には、塗り薬もお勧めです。
ただし、冒頭でお伝えしたように、市販薬はあくまで対症療法です。あまり使いすぎることはお勧めしません。根本改善を行い、使用しないで良い状態を目指していきましょう。
肩こりからくるめまいで気を付けないといけない疾病は?
肩こりやめまいの症状が出現した場合には、病気が隠れていることも考えられるので注意が必要です。
以下に病気の一例を挙げますので、参考にしていただければと思います。
頚椎椎間板ヘルニア、頚性神経筋症候群
頚椎椎間板ヘルニアは、背骨のクッションの役割をしている椎間板が飛び出すことで、神経を圧迫して首や肩、腕にかけて痛みやしびれが出現する病気です。
加齢や負担のかかる姿勢、スポーツの他、遺伝や体質的なものも要因として挙げられます。
頚性神経筋症候群は、首の筋肉の過緊張により自律神経系の異常が起こり、中々改善しない不定愁訴(原因不明の頭痛・めまい・疲労・多汗・不眠・胃腸症・血圧不安定など)が引き起こされる状態をいいます。
心筋梗塞、狭心症
心筋梗塞は、冬に多い病気で、前兆として肩から背中にかけての痛みが出現するケースがあります。
前兆がなく、急に強い胸痛があり、意識消失してしまうこともあり命に直結するので、このような場合にはすぐに救急車を呼びましょう。
狭心症は、心臓の血管がつまり、心臓に血流が届かなくなることで胸の痛みや締め付けられるような苦しさを生じます。
狭心症では肩こりやめまいが出現することもあるので、判別には注意が必要になります。
脳動脈瘤、脳梗塞
脳動脈瘤は、動脈が膨れ上がり塊となるもので、この血管が破裂することで、命の危険がある病気につながります。
脳動脈瘤で頭の神経が圧迫されている場合には、肩こりだけでなくめまいやしびれを伴うことがあります。
脳梗塞は、何らかの原因によって脳の血管がつまり、必要な血液が脳に行き届かなくなることで起こる病気です。
脳梗塞ではめまいやしびれが出現し、意識消失や麻痺、ひどくなると命の危険もあります。
こういった病気の場合は、まず病院へ行くことが最優先となります。
肩こりによるめまいが起きたらどこを受診したらいいの?
辛い肩こりが続いた場合には、ご自身ではどうすることもできず、病院を受診することを考えることもあるかと思います。
そんな時に何科を受診すれば良いのでしょうか。
一般的な肩こりによるめまいであれば、整形外科を受診することをお勧めします。
肩こり外来がある病院もあります。
ただし、肩こりの他に胸が締め付けられるような感じや、胸の痛みを生じているようであれば、心臓の疾患が疑われるので、循環器内科を受診すべきですし、ひどい頭痛や痺れを伴う場合は脳神経外科を受診した方が良いです。
万一、専門ではない科を受診したとしても、紹介状などを作成してもらい、専門の診療科を紹介してもらうこともできるので、受診する科を間違ったとしても心配しなくても大丈夫です。
また、肩こりで整形外科での受診の場合、対処法は湿布や鎮痛剤、血液循環を改善するお薬で対処する場合が多くなります。そういった場合は、鍼灸治療などで根本的な問題を改善することをお勧めします。
肩こりからくるめまいの予防法は?
肩こりは多くの人々の悩みとなっており、その原因は様々です。
日常生活の中での姿勢や生活習慣、ストレスなどが主な要因として挙げられます。
特に現代社会では、スマホやパソコンの使用が増え、それに伴い肩こりを引き起こす原因も増加しています。
姿勢の改善
特に、デスクワークや読書、手仕事などの際、多くの人は首を前に突き出す姿勢や両肩を前に出すような姿勢になりがちです。
このような姿勢が続くと、首から肩の筋肉に緊張が生じ、血流が悪くなり、肩こりを引き起こしやすくなります。
また、うつむき姿勢で長時間パソコンにかじりついていたり、背が高いことを悩んで猫背になったりすることも、肩こりの原因となります。
予防策としては、定期的に姿勢を正すことが重要です。
そして、正しい姿勢が分からなくなっている場合は、整骨院、整体で正しい姿勢を教えてもらうことをお勧めします。
日々意識して、正しい姿勢を身につけていきましょう。
また、適切な椅子やデスクの高さを選ぶことも、良い姿勢を保つためのポイントとなります。
定期的な休息
長時間の作業や同じ姿勢を続けることは、筋肉の緊張を引き起こし、肩こりの原因となります。
特に、パソコンやスマホの長時間使用は、目の疲れとともに肩こりの原因となります。
予防策として、定期的に休憩を取ることが効果的です。
集中しているとあっという間に数時間経過していることがあります。
そのため、1~2時間に一度、作業の合間に首や肩の筋肉を伸ばすストレッチを行うことで、筋肉の緊張を和らげることができます。
また、目の疲れを予防するために、1~2時間に1度10分程度の休憩を取り、目を休めることも大切です。
休憩中には、窓の外を見る、深呼吸をする、軽く体を動かすなどの方法で、体と心をリフレッシュさせましょう。
鍼灸治療
鍼灸治療も予防にはお勧めです。元々鍼灸治療は予防を目的に行われるものです。
辛い肩こりで悩む前に、常にご自身の対策でコントロールできる状態にするように、定期的にメンテナンスを行うことをお勧めしています。
まとめ
上記のように、肩こりは日本人にとって大半の方が悩んでいますが、当たり前になって改善することを後回しにしてしまいがちです。しかし、放っておくとめまいを伴うようなひどい状態になってしまうこともあります。
事前の対策、そしてなってしまった場合は早めの治療を行っていき、肩こりを上手く付き合っていける身体を手に入れましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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【監修】
住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
2011年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。 2011年住吉鍼灸院入社。 2017年不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラー。
施術歴13年