こんにちは、東京都江東区にある不妊専門鍼灸院の住吉鍼灸院です。
本日は不妊治療のファーストステップ、
「タイミング法」についてお話します。
タイミング法とは?
タイミング法とは、医師の指示で
「最も妊娠しやすいタイミングで夫婦生活を行うこと」を言います。
自然妊娠に一番近い形で、身体への負担も少ない方法です。
妊娠を希望し避妊せず夫婦生活を営むと、
不妊症でない人は半年で約70%、1年で約90%が妊娠します。
対象となるカップルは?
①排卵がある。
まず規則的に排卵があることです。
排卵障害がある場合、軽度であれば排卵日を予測しながら
タイミング法が行えますが、重度の場合、タイミング法は難しいため、
高度生殖補助医療(体外受精など)を提案されることがあります。
②精液検査の所見が問題ない
女性側が排卵しているかというだけではなく、
男性側も精液検査の所見に問題がないことが条件です。
軽度の男性不妊の場合、サプリメントや薬で治療をすることで、
タイミング法が行えますが、重度であれば同じく
高度生殖補助医療が必要になります。
③自然妊娠が可能である
男性・女性ともに自然妊娠が可能であることが条件です。
精子と卵子が受精して、卵管を通って子宮内膜に着床することで
妊娠は成立するのですが、例えば女性側の場合、
卵管が閉塞していたり通り道が狭い(狭窄)など異常があれば、
排卵していても中々自然妊娠は難しい場合もあります。
そのため、卵管を開通する手術など何らかの治療が必要な場合もあります。
ベストなタイミングはいつ?
では、タイミング法をするベストなタイミングはいつでしょうか?
卵子の受精能(寿命)は排卵から約24時間、精子は射精から約72時間と言われています。
そのため、排卵したタイミングで、精子が待っている状態が望ましいです。
タイミングは、排卵日の1〜2日前が妊娠の確率が高いと言われています。
排卵後でも妊娠する確率はゼロではありませんが、
排卵日までの方が妊娠の確率は高いと言えます。
タイミング法でも大切なことがあります。
①排卵日にこだわりすぎず夫婦生活を行う
まず大切なことは、排卵日にこだわりすぎないことです。
どうしても医師からの指導を受けると、排卵日に夫婦生活をするようになってしまいますが、そうすると男性側がED(勃起障害)を起こしてしまうこともあります。繊細な男性は指定された日に夫婦生活をすることがプレッシャーになりストレスになってしまうことがあります。
また、妊娠の確率をあげるためには、夫婦生活の回数を増やすことが大切です。
排卵日直前に1~2回の夫婦生活より、普段から夫婦生活がある方の方が妊娠もしやすいです。なぜなら、男性の精子は射精すると新しく作られ、禁欲していると精子の質が低下します。なるべく新しい精子を作るためにも、適度に夫婦生活をしましょう。
適度な夫婦生活は、男性だけでなく女性にもメリットがあります。夫婦生活の回数が多いほど、女性のホルモンバランスは安定する傾向があります。
妊娠のためとなると義務になりやすい傾向にありますが、男性・女性双方にメリットがあるため、タイミングにこだわらず、夫婦生活を行いましょう。
②妊娠しやすい体づくり
タイミング法で妊娠しやすいタイミングを知ることは大切ですが、妊娠の確率をあげるためには、男女ともに妊娠しやすい体づくりも大切です。皆さん、今の生活習慣はいかがですか?
「栄養バランスのとれた食事」「十分な睡眠」「適度な運動」
改善をすることで、より妊娠しやすいカラダになります。
精子は繊細なため、体調やストレスによって状態が変化しやすいと言われています。
運動率や精子数など、何度か検査をすると体調によりかなり変化する場合もあります。
アルコールやタバコは精子だけでなく、体の他の臓器へも悪影響を及ぼすため、できるだけ控えましょう。
タイミング法の流れ
①月経周期、過去の排卵から排卵日を想定する
婦人科などで排卵チェックをしてもらう場合やご自身で排卵日を予測する方法があります。
婦人科でチェックされる場合は問診で月経周期を確認し、基礎体温と過去の排卵から排卵日を予測します。
月経周期が28日の場合、黄体の寿命が14日なので、排卵日は月経開始から約14日です。
排卵日がいつごろなのかを予測し、受診の日程を相談します。
自分で排卵日を予測する場合は、基礎体温や排卵チェッカーなどを使用して排卵日を予測します。
②排卵日が近づいたら、受診し超音波検査を行う
予測した排卵日を参考に、排卵日が近づいたら超音波検査(エコー)を行い、卵胞の大きさを確認します。
卵胞の大きさが12㎜を超えてからは1日に約2㎜ずつ成長し18-22㎜で排卵するため、何日後に排卵するか予測をたてます。
排卵日の予想は卵胞の大きさだけでなく、頸管粘液(おりもの)でも確認します。通常、頸管粘液は膣から菌が侵入するのを防ぐ役割があります。
排卵前になると、精子が侵入しやすくするため、透明でよくのびるおりものへと変化します。
排卵チェッカーは一日だけ使用するのではなく排卵1週間前から使用して、陽性判定が出て陰性になるまで使用して排卵を予測します。
③排卵日を総合的に判断、尿中LHも確認
超音波検査、頸管粘液、基礎体温などさまざまな方法で排卵日を予測します。
排卵直前になると、尿検査を行い、尿中LHを確認し、排卵日を最終的に推測します。
尿中LHは、排卵前10-12時間に分泌ピークを迎えるため、排卵日の予測がたてられるのです。
ここで、排卵日を予測し、いつごろにタイミングをとるのか、婦人科の先生から指導を受けます。
④必要があれば、後日超音波検査や血液検査で確認する
排卵後は受診の必要がない病院もありますが、超音波検査で排卵されたかどうかを確認するため、受診が必要な場合もあります。
また、排卵後のホルモンが分泌されていることを確認するために、血液検査を行うこともあります。
⑤妊娠の成立
排卵後、月経予定日をすぎても月経がこなければ、妊娠検査薬で妊娠しているか確認しましょう。
妊娠検査薬で陽性の判定が出たら、臨床妊娠の成立です。妊娠5週頃に胎嚢(GS)を確認、妊娠6〜7週に心拍が確認できれば妊娠の成立となります。
タイミング法の成功率
タイミング法の成功率は妊娠しやすい男女の場合ですと1周期で約16~18%程度と言われておりますが、不妊症の方の場合は5%程度と言われています。
タイミング法の費用
2022年から不妊治療の保険適用開始に伴い、保険医療機関の場合、一般不妊治療管理料(3ヶ月に1回)として750円(3割負担)となっています。
ただ、何回通院したか、お薬をどの程度使用したかなど、人によってタイミング法の条件が異なります。実施した検査や治療により診療費の自己負担などが発生する場合があるので費用は参考程度にし、詳しくは通院している病院に確認してくださいね。
まとめ
タイミング法は自然妊娠に近く、男性・女性ともに体への負担が少ない治療法です。
医師の指導のもと治療を行いますが、妊娠する確率を高めるためには、生活習慣の改善も必要です。栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動など、妊娠しやすい体をつくると、より治療の効果が発揮できます。治療と合わせて生活習慣の見直しも行いましょう。
また、治療にはパートナーの協力が必要不可欠です。指導された時期に夫婦生活を行うだけでなく、排卵日にこだわらず夫婦生活の回数を増やすといいですね
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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【監修】
住吉鍼灸院 院長 藤鬼 千子
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
2011年国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得。 2011年住吉鍼灸院入社。 2017年不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラー。
施術歴13年